クイックレース サロモンは、靴ひもを結ばずに素早くフィット感を調整できるサロモン独自のレーシングシステムとして知られています。
トレイルランニングやハイキングの印象が強い機能ですが、クライミングジムへの移動、外岩アプローチ、岩場での履き替え、荷物を減らしたい日帰りクライミングでも使いやすさを感じやすいポイントがあります。
一方で、クライミングシューズそのものの性能とは役割が違うため、使いどころを誤ると期待外れに感じることもあります。
本記事では、クイックレースの仕組み、メリット、注意点、交換方法、クライミング目線での選び方まで詳しく解説します。
クイックレース サロモンとは|靴ひもを結ばない調整システム
クイックレース サロモンとは、一般的な靴ひものように結び目を作らず、細いコードとロックパーツによって足全体を締め上げるサロモンのレーシングシステムです。
アウトドアシューズでは、歩行中に靴ひもがほどけること、濡れた手や冷えた指で結び直しにくいこと、岩場やぬかるみで立ち止まる手間が気になる場面があります。
クイックレースは、こうした小さなストレスを減らすための仕組みとして理解すると分かりやすいです。
特にクライミングでは、登るためのクライミングシューズとは別に、ジムまでの移動靴、外岩までのアプローチシューズ、岩場で待機するときのリラックスシューズが必要になることがあります。
その場面で素早く履けて、素早く脱げて、余ったひもが邪魔になりにくいサロモンのクイックレースは、移動や準備をスムーズにしたい人に向いています。
靴ひもを結ばずに締められる基本構造
クイックレースの基本構造は、コード、ロックパーツ、余ったコードを収納するポケットで成り立っています。
足を入れたあとにコードを引き、ロックパーツを足の甲側へスライドさせることで、シューズ全体のフィット感を調整します。
通常の靴ひものように左右のひもを交差させて結ぶ必要がないため、慣れると着脱の動作がかなり短くなります。
クライミングジムでは、受付、着替え、レンタル手続き、ウォームアップ、クライミングシューズへの履き替えといった動作が連続します。
そのため、移動靴の着脱に手間がかからないことは意外に大きなメリットになります。
外岩でも同じです。
岩場に着いたらアプローチシューズからクライミングシューズへ履き替え、休憩時にはまた履き替えることがあります。
このとき、毎回靴ひもを結び直すよりも、コードを引いてロックするだけの仕組みのほうが動作を減らせます。
ただし、クイックレースは足の甲全体をまとめて締める構造なので、通常の靴ひものように前足部だけ緩める、足首側だけ強く締めるといった細かな部分調整はやや苦手です。
便利さを重視する仕組みであり、ミリ単位の締め分けを追い込む仕組みではないと考えると選びやすくなります。
サロモンのシューズで採用される理由
サロモンのシューズは、トレイルランニング、ハイキング、アプローチ、アウトドアユースなど、足場が変化する環境で使われることが多いです。
山道では、土、砂利、岩、木道、濡れた路面、急な下りなど、足元の条件が短時間で変わります。
その中で靴ひもがほどけると、転倒や踏み外しの原因になることがあります。
クイックレースは、結び目を作らずに固定できるため、余ったひもが地面に垂れにくい点が特徴です。
クライミング目線で見ると、この特徴は岩場のアプローチで役立ちます。
外岩では荷物を背負い、クラッシュパッドを担ぎ、チョークバッグやブラシなどを持って移動することがあります。
手がふさがっている状態で靴ひもがほどけると、荷物を下ろして結び直す必要があります。
短い距離でも、急斜面や落ち葉の多い道では面倒です。
サロモンのクイックレース搭載シューズは、こうした場面で着脱と調整を簡単にし、行動のリズムを崩しにくくしてくれます。
また、余ったコードを収納できる設計のモデルでは、ひもが枝や岩角に引っかかるリスクを抑えやすくなります。
もちろん、すべてのクライミングに必須というわけではありません。
しかし、ジムと外岩を行き来する人、移動靴にもアウトドア性能を求める人、靴ひものほどけが気になる人には、検討する価値があります。
通常の靴ひもとの違い
通常の靴ひもは、締める場所を細かく調整しやすい反面、結ぶ手間とほどける可能性があります。
甲が高い人、足幅が広い人、部分的に圧迫を避けたい人にとっては、通常の靴ひもの自由度が合うこともあります。
一方、クイックレースは一度の動作で全体を締めやすく、着脱が早いことが強みです。
クライミングジムに行くときの普段履きや、外岩アプローチでの移動靴として考えるなら、スピードと扱いやすさは大きな魅力です。
特にボルダリングでは、登っている時間よりも待機、観察、移動、履き替えの時間が長くなることもあります。
そのたびに靴ひもを結んだりほどいたりするのが面倒な人には、クイックレースの簡単さが合います。
ただし、クイックレースはコードが細いため、締め過ぎると甲に圧を感じる場合があります。
また、コードの通り道が汚れたり砂を噛んだりすると、滑りが悪くなることもあります。
そのため、外岩で泥や砂が多い場所を歩いた後は、ブラシや水拭きで簡単にメンテナンスしておくと快適に使いやすくなります。
通常の靴ひもと比べて優れているかどうかではなく、着脱の早さを優先するのか、細かな締め分けを優先するのかで選ぶのが大切です。
クライミングでサロモンのクイックレースが便利な場面
クライミングにおけるサロモンのクイックレースは、登る瞬間よりも、登る前後の移動や準備で便利さを発揮します。
クライミングシューズは岩やホールドに立つための専用道具であり、長時間歩く靴ではありません。
そのため、ジムでも外岩でも、移動用の靴をどう選ぶかは快適さに直結します。
サロモンのクイックレース搭載シューズは、履き替えが多いクライマーにとって、手間を減らしやすい選択肢です。
特にボルダリングでは、課題を打ち込む合間にクライミングシューズを脱ぐ人も多く、移動靴やサンダルとの使い分けが重要になります。
アプローチシューズとして使う場合も、足場の悪い道でほどけにくく、素早く調整できる点は安心感につながります。
クライミングジムへの移動で使いやすい理由
クライミングジムへ行くときは、仕事帰りや休日の短い時間を使う人も多いです。
受付を済ませて着替え、チョークやテーピングを準備し、ウォームアップを始めるまでの流れをスムーズにしたいと感じる人は少なくありません。
クイックレース搭載のサロモンシューズなら、靴を脱ぐときに結び目をほどく必要がなく、ロックパーツを緩めるだけで脱ぎやすくなります。
ジムの下駄箱や更衣室で靴ひもが床に垂れにくい点も、地味ですが便利です。
また、帰るときも足を入れてコードを引くだけなので、疲れた指や前腕でも扱いやすいです。
クライミング後は握力や前腕が疲れているため、細かい結び直しが面倒に感じることがあります。
クイックレースは、そうしたクライミング後の小さな疲労感を減らす意味でも相性が良いです。
ただし、ジム内で履く上履きとして使う場合は、施設のルールを確認する必要があります。
土足禁止エリア、マットエリア、トレーニングエリアなど、ジムによって靴の扱いが違うためです。
基本的には移動靴として使い、登るときはクライミングシューズに履き替える前提で考えると無理がありません。
外岩アプローチで役立つポイント
外岩では、駐車場から岩場まで歩くアプローチが発生します。
短い場所もあれば、山道を20分以上歩く場所もあります。
路面は舗装路だけでなく、土、砂利、岩、落ち葉、湿った斜面などさまざまです。
サロモンのクイックレース搭載シューズは、もともとアウトドアシーンを想定したモデルが多いため、アプローチで使いやすい候補になります。
靴ひもがほどけにくいことは、クラッシュパッドやロープ、ギアを持って歩くときに安心材料になります。
また、岩場に着いてからクライミングシューズへ履き替えるときも、素早く緩められるため行動が楽です。
外岩では荷物を広げる場所が限られることもあり、靴ひもが泥や砂に触れると不快です。
クイックレースなら余ったコードを収納できるため、周辺の枝や岩角に引っかかる心配も減らせます。
一方で、すべての外岩アプローチに万能ではありません。
急な岩稜帯や濡れた岩場では、アウトソールのグリップ、足首の安定性、つま先の保護性能も重要です。
クイックレースだけで選ぶのではなく、歩く場所の難しさに合ったシューズ全体の性能を見る必要があります。
ボルダリングの履き替えストレスを減らす考え方
ボルダリングでは、1本登って休み、また登るという流れを繰り返します。
クライミングシューズを履きっぱなしにすると足が痛くなるため、休憩中は脱いでリラックスする人が多いです。
そのときに移動用の靴を履くか、サンダルを履くか、裸足や靴下で過ごすかは人によって違います。
外岩では地面が冷たい、石が尖っている、虫がいる、泥が付くなどの理由で、休憩中にも何かを履きたい場面があります。
クイックレース搭載のサロモンシューズは、休憩中の履き替えを素早く行えるため、足を守りながらストレスを減らせます。
特に冬場の外岩では、足先が冷えるとクライミングシューズを履くのがつらくなります。
保温性のあるソックスと合わせて、移動靴をすぐ履ける状態にしておくと快適です。
また、課題間の移動があるエリアでは、クライミングシューズのまま歩くよりも、移動靴に履き替えたほうがシューズの消耗を抑えられます。
クイックレースは、その履き替えのハードルを下げる道具として役立ちます。
クライミングの上達に直接つながる機能ではありませんが、集中力を切らさずにセッションを続けるための快適装備として考えると価値があります。
サロモンのクイックレースのメリットと注意点
サロモンのクイックレースには、素早く締められる、ほどけにくい、余ったコードを収納しやすいというメリットがあります。
一方で、細かな締め分けが難しい、コードやロックパーツに慣れが必要、破損時には交換作業が必要という注意点もあります。
クライミング用途では、登るための機能というより、移動と準備を楽にする機能として評価するのが現実的です。
メリットだけを見ると便利そうに感じますが、足型や使う場所によって合う人と合わない人が分かれます。
ここでは、クライミングに関係する視点から、メリットと注意点を整理します。
メリット|素早い着脱とほどけにくさ
クイックレース最大のメリットは、着脱の早さです。
コードを引いてロックするだけで締められ、ロックを緩めれば脱ぎやすくなります。
ジムでの履き替え、外岩でのアプローチ、車から岩場までの移動など、クライミングには靴を履いたり脱いだりする場面が多くあります。
そのたびに靴ひもを結び直す必要がないのは、実際に使うと便利に感じやすい部分です。
また、ほどけにくいことも大きな利点です。
通常の靴ひもは、歩行中に結び目が緩むことがあります。
特に濡れたひも、丸ひも、硬いひもは、気づかないうちにほどけることがあります。
クイックレースは結び目を作らないため、ひもを踏んで転びそうになる不安を減らせます。
岩場では足元の確認が重要です。
クラッシュパッドを背負っていたり、ロープやギアを持っていたりすると、足元が見えにくくなることもあります。
余ったコードを収納できる設計であれば、引っかかりや踏みつけのリスクも抑えやすくなります。
こうした安全面と快適性の両方が、クライマーにとってのメリットです。
注意点|締め過ぎと部分調整のしにくさ
クイックレースは便利ですが、足に合わない締め方をすると甲に圧迫を感じることがあります。
細いコードで全体を締めるため、強く引き過ぎると一点にテンションが集まりやすい場合があります。
特に甲が高い人、足幅が広い人、長時間歩くと足がむくみやすい人は、最初から強く締め過ぎないほうが快適です。
外岩アプローチでは、登り始めはちょうど良くても、下山時に足がむくんで窮屈に感じることがあります。
その場合は、途中で一度緩めて調整することが大切です。
また、通常の靴ひものように、つま先側だけ緩く、足首側だけ強くといった細かい調整は得意ではありません。
シューズの構造によってフィット感は変わりますが、全体を一気に締める感覚が基本になります。
クライミングシューズのベルクロやレースアップに慣れている人ほど、最初は締め具合の違いを感じるかもしれません。
クイックレースは精密なフィット調整よりも、素早さと扱いやすさを重視する仕組みです。
歩行中に違和感がある場合は、無理に使い続けず、靴下の厚みやサイズ感も含めて見直しましょう。
壊れたときに交換できる安心感
クイックレースはコードとロックパーツを使う構造のため、長く使えば摩耗や破損の可能性があります。
岩場の砂、泥、水分、摩擦が加わる外岩アプローチでは、街履きよりも負荷がかかりやすいです。
ただし、サロモンでは交換用のクイックレースキットが用意されており、対応シューズであれば修理できる場合があります。
これはアウトドアで使う道具として大きな安心材料です。
通常の靴ひもなら市販のひもに交換できますが、クイックレースは専用パーツの確認が必要です。
交換キットを使う場合は、対応モデル、コードの通し方、ロックパーツの向き、余りコードの処理を確認しましょう。
無理に引き抜いたり、違う太さのコードを使ったりすると、フィット感や耐久性に影響することがあります。
外岩へよく行く人は、遠征前にコードの傷みを確認しておくと安心です。
コード表面が毛羽立っている、ロックが滑る、左右で締まり方が違う、ポケットに収納しにくいといった状態があれば、早めの交換を検討しましょう。
クライミングでは靴そのものよりもギアに意識が向きがちですが、アプローチ中の足元トラブルは行動全体に影響します。
メンテナンスできることまで含めて、クイックレースの価値を考えるのがおすすめです。
クイックレース搭載サロモンシューズの選び方
クイックレース搭載のサロモンシューズをクライミング用に選ぶなら、レーシングシステムだけで判断しないことが大切です。
外岩アプローチに使うのか、ジムへの移動に使うのか、普段履きも兼ねるのかによって、重視すべきポイントは変わります。
アプローチで使うならグリップ、安定感、つま先保護、耐久性が重要です。
ジムへの移動や街履きが中心なら、軽さ、脱ぎ履きのしやすさ、見た目、歩き心地を重視できます。
クイックレースは便利な機能ですが、シューズ選びの中心はあくまで足型と用途です。
ここでは、クライミング目線で失敗しにくい選び方を解説します。
外岩アプローチ用ならアウトソールを重視する
外岩アプローチで使う場合、最も重視したいのはアウトソールです。
クイックレースで素早く締められても、濡れた岩や砂利で滑りやすい靴では安心して歩けません。
外岩のアプローチは、登山道ほど整備されていないこともあります。
落ち葉の下に石が隠れていたり、斜面が崩れやすかったり、岩の上に砂が乗っていたりします。
そのため、グリップ力、ソールの硬さ、屈曲性、かかとの安定感を確認しましょう。
柔らかすぎるソールは地面の感覚を拾いやすい一方で、長い下りでは疲れやすいことがあります。
硬めのソールは安定感がありますが、細かい岩場では足裏感覚が鈍く感じる場合もあります。
クライミングエリアのアプローチが短く平坦なら軽量モデルでも十分ですが、山道が長い場所ではトレイル向けやハイキング向けの安定したモデルが向いています。
また、つま先保護も重要です。
岩や木の根に足先をぶつけやすい場所では、トゥガードがあるモデルのほうが安心です。
クイックレースは便利な入り口ですが、実際の安全性はソールとアッパーの作りで決まります。
ジム通い用なら軽さと着脱性を重視する
クライミングジムへの移動が中心なら、外岩ほど高いグリップ性能や保護性能は必要ない場合があります。
その代わり、軽さ、歩きやすさ、蒸れにくさ、脱ぎ履きのしやすさを重視すると快適です。
仕事帰りにジムへ行く人は、荷物を増やしたくないことが多いです。
サロモンの軽量なクイックレース搭載シューズなら、移動からジム到着後の履き替えまでスムーズに行えます。
ジムではクライミングシューズ、チョークバッグ、テーピング、着替え、タオルなどを持ち歩くため、移動靴は扱いやすいほうが楽です。
また、クライミング後は足が疲れ、前腕も張っていることがあります。
その状態で靴ひもを結び直すより、コードを引くだけのほうが簡単です。
デザイン面でも、サロモンはアウトドア感の強いモデルから街履きしやすいモデルまで幅があります。
ジム通い用なら、普段の服装と合わせやすいカラーやシルエットを選ぶのも良いでしょう。
ただし、細身のモデルもあるため、足幅が広い人はサイズだけでなくワイズ感も確認することが大切です。
試着できる場合は、薄手ソックスと厚手ソックスの両方を想定して履いてみると失敗しにくくなります。
サイズ選びはクライミングシューズと分けて考える
クライミングシューズは、つま先でホールドに立つためにかなりタイトに履くことがあります。
しかし、サロモンのクイックレース搭載シューズを移動靴やアプローチシューズとして使うなら、クライミングシューズのサイズ感とは分けて考える必要があります。
歩く靴は、つま先に適度な余裕が必要です。
下り坂では足が前に滑りやすく、つま先が当たると痛みや爪のトラブルにつながります。
外岩アプローチで使うなら、登り、下り、荷物を背負った状態まで想定して選びましょう。
クイックレースは簡単に締められるため、少し大きめでも締めれば大丈夫と思うかもしれません。
しかし、サイズが合っていない靴をコードで無理に締めると、甲だけが圧迫され、かかとは浮くという状態になりやすいです。
逆に小さすぎる靴は、長い歩行や下山時に足指を痛める原因になります。
試着時は、かかとが抜けないか、つま先が当たらないか、甲にコードの圧が集中しないかを確認しましょう。
クライミングのための靴選びでは、登る靴と歩く靴を混同しないことが大切です。
サロモンのクイックレース搭載シューズは、歩く時間を快適にするための道具として選ぶと満足度が高くなります。
クイックレースの使い方とメンテナンス
クイックレースは、構造を理解すれば難しいシステムではありません。
ただし、正しく締める、余ったコードを収納する、汚れを落とす、傷みを確認するという基本を守ることで、快適さと耐久性が変わります。
クライミングで使う場合は、砂、チョーク、泥、落ち葉、岩との摩擦など、街履きよりも汚れやすい環境に置かれます。
そのため、使いっぱなしにせず、定期的に状態を確認することが大切です。
ここでは、使い方とメンテナンスのポイントをクライミング目線で整理します。
基本の締め方と緩め方
クイックレースを締めるときは、まず足をしっかりかかと側へ合わせます。
かかとが浮いた状態で締めると、歩行中に足が前へずれやすくなります。
足を入れたら、コードを左右均等に軽く整え、ロックパーツを持って引き締めます。
強く引けば良いわけではありません。
甲に痛みが出ない程度に締め、歩いて違和感がないか確認しましょう。
外岩アプローチでは、最初はやや余裕を持たせ、歩きながら必要に応じて締め直すほうが快適な場合があります。
緩めるときは、ロックパーツを解除してコード全体のテンションを抜きます。
無理に足を抜こうとすると、かかと部分やコードに余計な負荷がかかります。
靴を脱ぐ前にしっかり緩める習慣をつけると、シューズを傷めにくくなります。
余ったコードは、シュータン部分のポケットに収納できるモデルが多いです。
収納せずに歩くと、コードが引っかかったり、見た目が乱れたりすることがあります。
特に岩場では、枝や岩角に引っかからないように、必ず収納してから歩くのがおすすめです。
外岩後に確認したい汚れと摩耗
外岩で使った後は、ソールだけでなくクイックレース周辺も確認しましょう。
コードの通り道に砂や泥が入ると、滑りが悪くなることがあります。
乾いた泥はブラシで軽く落とし、細かな砂は布や水拭きで取り除きます。
水で洗った場合は、直射日光や高温の乾燥機を避け、風通しの良い場所で乾かすのが基本です。
コード部分が濡れたまま収納されると、汚れが固まりやすくなります。
また、コード表面の毛羽立ち、切れかけ、ロックパーツの滑り、左右差を定期的に確認しましょう。
特に岩場でひっかけたり、鋭い岩に擦れたりした後は注意が必要です。
クライミングでは、ギアの安全確認には意識が向きますが、アプローチシューズの確認は後回しになりがちです。
しかし、アプローチで足を痛めると、その日のクライミングだけでなく帰り道にも影響します。
ソールの減り、アッパーの破れ、クイックレースの摩耗をセットで確認する習慣をつけると安心です。
消耗が進んだ状態で使い続けるよりも、早めに交換や修理を検討したほうが結果的に長く使えます。
交換キットを使う前に確認すること
クイックレースが傷んだ場合、交換キットを使って修理できることがあります。
ただし、交換前には対応モデルを確認することが重要です。
サロモンのすべてのシューズに同じ方法で取り付けられるとは限らないため、購入前に自分のモデルに合うかを確認しましょう。
交換作業では、古いコードの通し方を記録しておくと失敗しにくいです。
スマホで写真を撮ってから外すと、コードの通り道やロックパーツの向きを確認しやすくなります。
作業中にコードを無理に引っ張ると、アイレット部分やアッパーを傷める可能性があります。
焦らず、左右の長さを確認しながら通しましょう。
交換後は、いきなり外岩へ持っていくのではなく、まず短い距離を歩いて締まり方を確認するのがおすすめです。
コードの余りが長すぎる、ロックが滑る、左右でテンションが違うといった違和感があれば、再調整します。
クライミングの遠征前に交換する場合は、前日ではなく余裕のあるタイミングで作業しましょう。
道具のトラブルは、出発直前ほど焦りやすいです。
クイックレースは便利な仕組みですが、正しく取り付けてこそ快適に使えます。
クイックレース サロモンをおすすめできる人とできない人
クイックレース サロモンは、すべてのクライマーに必須の装備ではありません。
しかし、ジム通いの履き替えを楽にしたい人、外岩アプローチで靴ひものほどけが気になる人、移動靴にもアウトドア性能を求める人には相性が良いです。
一方で、細かいフィット調整を重視する人、通常の靴ひもの締め分けが好きな人、甲への圧迫に敏感な人は慎重に選ぶ必要があります。
最後に、どのような人に向いているのか、どのような人は別の選択肢も考えたほうが良いのかを整理します。
おすすめできる人
クイックレース サロモンをおすすめできるのは、まず履き替えの多いクライマーです。
ジムでクライミングシューズに履き替える、外岩でアプローチシューズとクライミングシューズを何度も履き替える、休憩中に足を楽にしたいという人には便利です。
また、靴ひもがほどけるのが嫌な人にも向いています。
アプローチ中に何度も結び直すのが面倒な人、クラッシュパッドを背負ったまましゃがむのがつらい人、荷物が多い日に足元の手間を減らしたい人には相性が良いです。
仕事帰りにジムへ行く人にもおすすめです。
短時間で準備を済ませたいとき、靴の着脱が早いことは小さな時短になります。
さらに、アウトドア感のあるデザインが好きで、街履きとジム通いを兼用したい人にも使いやすいでしょう。
ただし、選ぶモデルによって履き心地は大きく変わります。
クイックレースだから便利というだけでなく、自分の足型、歩く距離、使用環境に合うモデルを選ぶことが大切です。
特に外岩で使うなら、クイックレースよりもソール性能と安定感を優先してチェックしましょう。
おすすめしにくい人
クイックレース サロモンをおすすめしにくいのは、靴ひもの細かな締め分けに強いこだわりがある人です。
通常の靴ひもなら、つま先側を緩く、甲の中央を強く、足首側をしっかり固定するといった調整がしやすいです。
クイックレースは全体を素早く締める仕組みなので、部分ごとの微調整を重視する人には物足りない可能性があります。
また、甲が高く、細いコードの圧迫を感じやすい人も慎重に選びましょう。
試着時に短時間で問題がなくても、長いアプローチでは違和感が出ることがあります。
さらに、メンテナンスをまったくしたくない人にも向きにくい面があります。
通常の靴ひもは傷んだら簡単に市販品へ交換できますが、クイックレースは専用構造の確認が必要です。
砂や泥をかぶる環境で使うなら、定期的な汚れ落としも必要になります。
クライミングギアと同じように、使った後に軽く確認する習慣がある人のほうが長く快適に使えます。
便利さを優先するなら魅力的ですが、自由な調整や単純な修理のしやすさを最優先する人は、通常の靴ひもモデルも比較すると良いでしょう。
クライミング用途での結論
クライミング用途で考えるなら、サロモンのクイックレースは登攀性能を高める道具ではなく、移動と準備を快適にする道具です。
クライミングシューズのようにホールドへ立つための精密なフィットを求めるものではありません。
しかし、ジムへの移動、外岩アプローチ、岩場での履き替え、帰り道の疲れた足を支える靴として見ると、十分に魅力があります。
特に、靴ひもを結ぶ手間やほどけるストレスを減らしたい人には分かりやすいメリットがあります。
外岩では、ギアの準備、課題の確認、マット配置、スポット、休憩など、やることが多いです。
足元の小さな手間が減るだけでも、行動全体がスムーズになります。
一方で、足型に合わないモデルを選ぶと、クイックレースの便利さよりも圧迫感や違和感が気になることがあります。
そのため、購入時はクイックレースの有無だけで決めず、サイズ、ワイズ、ソール、使用環境を総合的に見ましょう。
クライミングを快適に続けるには、登る道具だけでなく、移動を支える道具も大切です。
サロモンのクイックレースは、その移動の快適さを高める選択肢として検討できます。
まとめ
クイックレース サロモンは、靴ひもを結ばずに素早くフィット感を調整できる便利なシステムです。
クライミングでは、登るための機能というより、ジム通い、外岩アプローチ、岩場での履き替えをスムーズにする機能として役立ちます。
ほどけにくく、余ったコードを収納しやすい点は、荷物が多いクライマーにも魅力です。
一方で、細かな締め分けや甲への圧迫には注意が必要です。
選ぶときはクイックレースだけでなく、足型、ソール、歩く距離、使用環境まで確認し、自分のクライミングスタイルに合う一足を選びましょう。

